ギネスブックでも史上最高のベストセラー作家といわれているイギリスのアガサ・クリスティーの「ホロー荘の殺人」を原案にしたフランス映画だ。しかもポワロが登場しないという。フランス人が書く書き順滅茶苦茶の漢字を見に行くつもりで鑑賞することにした。
ベストセラー作家でもあり、ポワロ・シリーズは映画化、TVドラマ化されているし、小説自体は読んだことなくとも、知っている人も多いだろう。もちろん主役であり印象的なエルキュール・ポワロいてからこそだ。エルキュール(Herclue)というのは、ヘラクレスのフランス語読みだ。このポワロはベルギーのフランス語圏出身ということになっている。TVドラマではポワロはイギリス人の抱く典型的なフランス人像なのか、妙に滑稽で突然フランス語を話しはじめて、容疑者は油断してしまうらしい。 シャーロック・ホームズなしのシャーロック・ホームズが考えられないように、唯一とも言って良いフランスとの接点であるポワロを抜きにするとは、逆に興味を引くともいえる。 資料によれば自伝でこの「ポワロ」の登場が失敗の小説だったと語っており、この小説を彼抜きにしたら、もっと良くなるだろうと思い続けたと記述している。本作品は原作を元に時代や舞台などを現代フランスに移し映画化された作品だ。 ストーリーはフランス人好みで、とにかくいろいろな女性と関係を持ってしまう男性がプールで殺されてしまう。直後にピストルを持っていた妻が犯人とされ捕まってしまうが、実際使われた銃と違うことが分かり、釈放され、他に真犯人がいることに。愛情、嫉妬、恨みなど様々な人間関係が描かれ、最後の最後に事件の真相が明らかになる。 ポワロの登場が無い分、人間関係にフォーカスされていて、早速殺されたピエール(ランベール・ウイルソン)には奥さんの他に愛人、元愛人、元恋人がいるし、それぞれに夫や恋人などがいる。それほどドロドロしている訳ではないが、最後にクレール(アンヌ・コンシニ)の狂気の沙汰は見物だ。
by paris.france
| 2009-02-25 12:09
| フランス映画祭2009
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